20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2011-05-20)
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映画「悪を呼ぶ少年」の感想になります。
ネタバレの感想となっていますが、この映画は先にネタバレを
観てしまうと面白さが半減するのでご注意ください。
■ あらすじ
小さな村に住むペリー家には双子の男の子がいた。
やんちゃでイタズラ好きの兄ホランド、大人しく心優しい弟ナイルズ。
双子の父は事故で亡くなり、母は旦那の死が原因で病に臥せていた。
そんな両親に代わり、祖母のエダは双子をとても可愛がってくれてた。
ナイルズはエダから教わった遊び、精神統一をすることで対象に乗り移ることが
出来る遊びを特に気に入っていた。
ある日、二人で遊んでいるところに従兄弟のラッセルがやってきて
ナイルズが彼らの父親の指輪を持っていることに気が付く。
故人と共に一緒に埋めたはずの指輪を何故ナイルズが持っているのか…。
このことをきっかけにペリー家の周りでは不審な事故が続くようになる。
■感想
映画のタイトル、DVDのパッケージを見て「ホラー映画?怖そうだなぁ」と思い、
購入しましたがホラーではなく、サイコサスペンスでした(笑)
兄ホランドは「イタズラ」というには度が過ぎていて、動物を平気で絞殺したり、
自分が気に入らない人間に対しては容赦なく攻撃をする。
しかも相手への攻撃は直接暴力を振るうというものではなく、
指輪のことを大人に報告しようとしていたラッセルが高いところから
飛び降りる遊びにハマっているときに落下地点にピッチフォークをわざと置いて
刺さるように仕向けたり、ネズミが苦手な夫人の元に手品と称して近くでみたりと
頭を使ったやり方をします。
ホランドの「イタズラ」が原因で人が死んでしまっても、誰も10才前後の子供がやったとは思わず、
事故死ということになる。
弟のナイルズは兄のやっていることを非道な行いを止めようとするものの、結局は兄の後ろを付いていくだけ。
エダはナイルズの様子がおかしいことに気が付き始め、問い質します。
ここから話は一気に大きく動き出し、実はホランドは既に亡くなっている事実が明かされます。
今までナイルズに見えていた兄の姿は全て幻だった。
つまり今まで起こっていた不審な事故死は全てナイルズの仕業。
ホランドがいなくなったことで、ナイルズは半身を失ったかのように心に穴が空き、
自分がホランドのように振る舞うことで、心のバランスをとっていたということだったのです。
観ている途中で双子の秘密は気が付いてましたので、「やっぱり…」という気持ちでした。
ホランドが出てくるのがナイルズ1人だけのときだったり、大人たちがナイルズにしか
話しかけていなかったので不自然だったんですよね。
でも、この映画の面白さはその先にあります。
秘密がバレたナイルズはエダにホランドが亡くなった現実を受け入れ、
幻影を追うのを止めるように言われます。
後日、ペリー家には新しい家族が増え、大人たちの話題は赤ん坊のことで持ちきり。
しかし嵐の夜に赤ん坊は何者かによって連れ去らわれ、酒樽の中から死体として発見されます。
大人たちは独身で、赤ん坊のことを恨めし気に見ていた庭師の男を犯人と決め付けリンチしますが
ただ一人、真犯人に気が付いたエダはナイルズの元へと向かいます。
エダは自分が良かれと思ってナイルズに教えたことが、全て裏目に出て非道な行いを
するきっかけとなったことに責任を感じ、ナイルズを巻き添えに焼身自殺をしようとします。
ところが翌日、窓辺には焼け焦げた小屋を見つめるナイルズの姿が…。
脚本もしっかり練られていて、さらに作中には様々な伏線も張られており
なかなか凝ったシナリオで良かったです。
パッケージのインパクトが強すぎて期待していたものとは違いましたが
これはこれで面白かったです。
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